神社のお祭りでお神輿を担ぐときや、地域の祭礼のときに着る「はっぴ」や「はんてん」。
どちらも時代をまたいで昔から日本で愛されてきた衣装ですが、よく考えると「はっぴ」と「はんてん」の違いは分かりにくいですよね。
そこで今回は、意外と知られていないこの2つの違いについてご紹介します。
「はっぴ」とは?
「はっぴ」を漢字で表すと「法被」と書きますが、これは当て字なので仏教用語とは関係がありません。
着丈は腰または膝までの長さがあり、胸元を留めるヒモはついていないのが特徴です。袖は筒袖か広袖の形になっているのが一般的です。
もともとは武士が家紋を染め抜いた「はっぴ」を羽織っていたのが、町の火消しや職人の間でも広まり作業着として普及しました。
一般的に、背中に渦を巻いたような「巴」のマークや「祭」の字を染め抜き、「御祭禮」「若睦」「中若」「小若」などの襟文字を入れたものを祭礼で着用します。
一方、職人が着る「はっぴ」は印半纏とも呼ばれ、背中に店の定紋、屋号を襟文字に入れたものが支給されることが多く、昔は職人の正装でもありました。
現在でも消防団の制服として採用されることもあり、主に年始の出初式などで着用される他、店舗のキャンペーンや、野球の応援などのときにも羽織られている姿をよく目にします。
「はんてん」とは?
「はんてん」を漢字にすると「半纏」「袢纏」「半天」と表記します。
江戸時代から職人や店員など、都市部に住む庶民の作業着で、戦後まで広く着用されていました。
袖の形はさまざまで、広袖や角袖、筒袖などのバリエーションがあります。
背中に紋が描かれ、屋号などが襟文字として入っている印半纏は、職人たちの正装だったので、俗に「窮屈羽織」とも呼ばれるほど一般的なものでした。
「はんてん」といえば、防寒着として冬に着られる「綿入れ半纏」もありますが、「単衣(ひとえ)」の印半纏とは異なり、生地が二重の袷(あわせ)になっていて、その表と裏の生地の間にあたたかい綿が入ります。
衿は光沢のある黒繻子で、現在でも老若男女問わず着用されています。
「はっぴ」と「はんてん」の違い
「はっぴ」も「はんてん」も江戸時代に生まれました。
「はっぴ」は当初、武士の羽織が発祥だったため、武家社会や官民の中で襟を返して着られていましたが、一般庶民に「羽織禁止令」が出てから襟を返さなくなりました。
そのため、襟を返さない、単衣で胸元を留めるヒモがない、筒袖や広袖の「はんてん」とほぼ同じ形状の衣装になり、2つが混同されていったのです。
現在における2つの違いは、祭礼やキャンペーン、応援などで一般的に着られるカラフルなものが「はっぴ」。
日本の伝統的な商品を扱う店舗や、旅館などの従業員が着用しているのが「はんてん」というように分けられます。
「はっぴ」も「はんてん」も粋な江戸時代のイメージが強い、日本の伝統衣装。
伝統文化を受け継いでいくためにも、機会があれば「はっぴ」や「はんてん」を、その違いを踏まえて着てみたいですね。
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